スクール・ラン
『スクール・ラン』
「今日の八雲は体育館の奥から二番目だよねっ」
「うん……」
何時の頃からか、彼女たちにはおかしな習慣ができた。
何でもさらけ出してくれるようになったと、喜ぶべきことなのか。
それとも、こんな趣味があったことを嘆くべきことなのかを、サラはまだ消化しきれていない。
「それで……その……どうだった?」
恥ずかしそうに顔を赤らめてたずねる八雲を見て、サラは少し意地悪したくなった。
「もう臭くて臭くて、体育館で部活してた人が倒れそうになってたよ」
わざとらしい演技かかった声だったためか、八雲はすぐ冗談と気づいたようだ。
けれど、サラは八雲が本当はそうなっていて欲しいんじゃないかと考えていた。
「もう……そうやって茶化すのやめて」
「ごめんごめん、八雲の臭いよかったよ。形もちゃんとしてたし、食べてるものがちゃんとしてると、出るものもちゃんとしてるんだね」
「そっか……ありがとう……」
嬉しそうに目を細める。
サラは本当にそう思っているわけではない。
それでも、八雲がそう思って欲しいのなら、少しは我慢しよう。
そう考えていた。
八雲は学校でトイレ、それも糞をしたあと自分で流すことをしなくなった。
それを流すのは自分ではなく、友人であるサラの役目になったからだ。
「サラは……本当に嫌じゃない?」
「うんっ! 全然嫌じゃないよ」
臭いや形に関して何か思うところは、実際のところほとんどなかった。
それよりも、友人である八雲の出したものを学校中探し回って見つけて、水に流す。
そんな少しゲームじみた奇妙な関係をサラは楽しんでいた。
「私の家で流し忘れたのを見て、日本は次の人が流す習慣があるのかと思ったよ」
「あ、あれは……その……どうしてもサラに見て欲しいって気持ちで一杯になって、うっかり……」
自分の感情をあまり表に出さない八雲が、こんな形で吐露した気持ちが嬉しい。
「ふーん、でも、どうして八雲は私に見て欲しいの? その……自分のうんちを」
直接的にうんちと言ってしまい、恥ずかしくなって目を合わせられず、目線を窓に向ける。
八雲も同じようで、サラと同じように窓の外を見た。
お互いの顔を見たり、同じものを同じ時間に見れるって何だか幸せだな、と少し乙女な発想がサラの頭の中に出てきた。
「別にその……うん……うんちじゃなくても……。出したのを見てもらうのが嬉しいんじゃなくて、それをサラに流してもらうのが……嬉しいのかな」
八雲は言葉にするのが難しいのか、それとも言うのが恥ずかしいのか、俯いて考え込んでしまった。
「ごめんね変なこと聞いちゃって。八雲が出したのを流すのは、私。これからもよろしくね」
「ううん、ありがとう」
この行為は侮辱的に言ってしまえば変態、控えめに見ても変わっている。
でも今の八雲は少し精神的に追い詰められて逃避しているだけかもしれない。
本当に心の底からそう思っているとは限らない、本当に変態とは限らない。
これからもこの関係が続くだけでなく、もっと前へ進んでいくのではないだろうか、そのとき八雲の気持ちに答えることができるのだろうか。
サラはそんな少し先のことを考えながら、窓越しにもう日の色が薄くなった空を眺めていた。
八雲はただ教室の床を見ながら、何かを考えていた。
「さあて、今日はどこにあるのかな」
昨日と続けて体育館ということもないだろうし、人気の多い新校舎もないだろう。
部室のある旧校舎かな、とあたりをつける。
一階から順番に見ていく。
トイレのすえた臭いを心地よく感じている、その後に続く友人の糞の臭いが楽しみだからか。
それとも、こうやって友人の香りを楽しもうと奮闘している自分に酔っているのか、サラは分析しかねている。
「ここでもない……」
結局三階まで見て回っても、友人の残した物は見当たらなかったし、嗅げなかった。
残念な気持ちと、また探す億劫な気持ちと、早く嗅ぎたいという気持ち、どれも同じぐらいサラの中にあった。
「うーん、新校舎の職員室の方かな、人あんまりいないし」
旧校舎を駆け下りる。
周りの人に階段を上ってはトイレに行く怪しい女だと思われないように、時間をかけて上ったため、熱心でない文化部の部員は帰ってしまったようで人気がない。
「こんなことなら、周りの目なんて気にしなければよかったかな」
そう呟きながら、駆け足で新校舎へ向かう。
しかし、新校舎の職員室トイレを覗くが探し物は見つからない。
もしかして、みんなが部活や帰宅のために校舎の外に出てからやったのだろうか、と思い新校舎も下から上まで探すが見つからない。
「なら、また体育館かな」
それとも、体育館二階の普段だれも使わない来賓用のトイレかもしれない。
そうあたりをつけて、まだ熱心に野球にふける野球部員を尻目にグラウンドの脇を通り抜ける。
そのとき、サラの鼻が嗅ぎなれた臭いを感じた。
「あれ……?」
その臭いは集中しないとすぐ消えてしまうほど、わずかなものだった。
グラウンドの脇にあるちょっとした木々が生えている草むら。
校舎やグラウンドからは死角になっていて、木々の向こうに広がる草むらに何があるかは見えない。
「もしかして」
どの部活もが草むしりを押し付けあった結果、足首ぐらいまで伸びた草に隠れている何か。
その草むらに踏み入ると、見慣れた糞があった。
どれだけ校舎を走り回っても見つからなかったものが、目の前にあった。
目の前にあるということは、八雲はここでしたのだろう。
この青空の下で、まだ部活動をしている生徒も数多くいるこの場所で。
そうリアルに八雲が出している姿を想像してしまい、サラは思わず空を見上げた。
サラはうらやましかった。
自分がまだ一度も見たことのない八雲の脱糞姿をこの空は見ていたのだから。
そう思うや、今まで幾度も見てきたであろう、トイレの天井や壁にまで嫉妬してしまう。
「……八雲」
サラは八雲がただの変態なんじゃないか、という疑問にようやく答えを出した。
「私、八雲のうんち見れて嬉しい」
変態だけれど、それを見て喜んでいる私も同じだ、そうサラは結論付けた。
八雲の臭いを胸いっぱいに吸い込む。
「外は駄目だなあ、いろんな臭いがあってわかりにくいや」
なら、近づけばいい。
そう心が呟くのをサラは確かに聞いた。
けれど、それを実行に移せない。
「けど……」
普段は八雲が言うから仕方なく臭いをかいで形を確認したら、すぐ流していた。
まじまじと顔を近づけることもしないし、鼻を押し付けて臭いを嗅ぐこともしない。
けれど、今サラはそれがしたい。
「駄目だよね、今外だし、まだ部活やってる人たちいるし」
言葉とは裏腹にサラは一歩、八雲の糞に近づく。
「八雲の臭いがする」
草の若々しい匂いや木々の夏めいた匂いよりも、より重厚で強烈な八雲の臭い。
サラは糞の前に中腰でしゃがみこむ。
「今日も綺麗な一本糞。八雲はちゃんとしてるなあ」
形を眺め、臭いを嗅ぐ。
それだけで、本当に八雲の糞を感じているのだろうか。
サラの心の中をある思いつきが占める。
「これ、食べてもいいかな」
八雲が聞いていたら、何と答えただろう。
いいよ……と優しく肯定してくれるだろうか。
それとも、変態……と優しく否定してくれるだろうか。
どちらにしろ、サラの中には八雲が自分を優しくしないイメージはなかった。
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「うん……」
何時の頃からか、彼女たちにはおかしな習慣ができた。
何でもさらけ出してくれるようになったと、喜ぶべきことなのか。
それとも、こんな趣味があったことを嘆くべきことなのかを、サラはまだ消化しきれていない。
「それで……その……どうだった?」
恥ずかしそうに顔を赤らめてたずねる八雲を見て、サラは少し意地悪したくなった。
「もう臭くて臭くて、体育館で部活してた人が倒れそうになってたよ」
わざとらしい演技かかった声だったためか、八雲はすぐ冗談と気づいたようだ。
けれど、サラは八雲が本当はそうなっていて欲しいんじゃないかと考えていた。
「もう……そうやって茶化すのやめて」
「ごめんごめん、八雲の臭いよかったよ。形もちゃんとしてたし、食べてるものがちゃんとしてると、出るものもちゃんとしてるんだね」
「そっか……ありがとう……」
嬉しそうに目を細める。
サラは本当にそう思っているわけではない。
それでも、八雲がそう思って欲しいのなら、少しは我慢しよう。
そう考えていた。
八雲は学校でトイレ、それも糞をしたあと自分で流すことをしなくなった。
それを流すのは自分ではなく、友人であるサラの役目になったからだ。
「サラは……本当に嫌じゃない?」
「うんっ! 全然嫌じゃないよ」
臭いや形に関して何か思うところは、実際のところほとんどなかった。
それよりも、友人である八雲の出したものを学校中探し回って見つけて、水に流す。
そんな少しゲームじみた奇妙な関係をサラは楽しんでいた。
「私の家で流し忘れたのを見て、日本は次の人が流す習慣があるのかと思ったよ」
「あ、あれは……その……どうしてもサラに見て欲しいって気持ちで一杯になって、うっかり……」
自分の感情をあまり表に出さない八雲が、こんな形で吐露した気持ちが嬉しい。
「ふーん、でも、どうして八雲は私に見て欲しいの? その……自分のうんちを」
直接的にうんちと言ってしまい、恥ずかしくなって目を合わせられず、目線を窓に向ける。
八雲も同じようで、サラと同じように窓の外を見た。
お互いの顔を見たり、同じものを同じ時間に見れるって何だか幸せだな、と少し乙女な発想がサラの頭の中に出てきた。
「別にその……うん……うんちじゃなくても……。出したのを見てもらうのが嬉しいんじゃなくて、それをサラに流してもらうのが……嬉しいのかな」
八雲は言葉にするのが難しいのか、それとも言うのが恥ずかしいのか、俯いて考え込んでしまった。
「ごめんね変なこと聞いちゃって。八雲が出したのを流すのは、私。これからもよろしくね」
「ううん、ありがとう」
この行為は侮辱的に言ってしまえば変態、控えめに見ても変わっている。
でも今の八雲は少し精神的に追い詰められて逃避しているだけかもしれない。
本当に心の底からそう思っているとは限らない、本当に変態とは限らない。
これからもこの関係が続くだけでなく、もっと前へ進んでいくのではないだろうか、そのとき八雲の気持ちに答えることができるのだろうか。
サラはそんな少し先のことを考えながら、窓越しにもう日の色が薄くなった空を眺めていた。
八雲はただ教室の床を見ながら、何かを考えていた。
「さあて、今日はどこにあるのかな」
昨日と続けて体育館ということもないだろうし、人気の多い新校舎もないだろう。
部室のある旧校舎かな、とあたりをつける。
一階から順番に見ていく。
トイレのすえた臭いを心地よく感じている、その後に続く友人の糞の臭いが楽しみだからか。
それとも、こうやって友人の香りを楽しもうと奮闘している自分に酔っているのか、サラは分析しかねている。
「ここでもない……」
結局三階まで見て回っても、友人の残した物は見当たらなかったし、嗅げなかった。
残念な気持ちと、また探す億劫な気持ちと、早く嗅ぎたいという気持ち、どれも同じぐらいサラの中にあった。
「うーん、新校舎の職員室の方かな、人あんまりいないし」
旧校舎を駆け下りる。
周りの人に階段を上ってはトイレに行く怪しい女だと思われないように、時間をかけて上ったため、熱心でない文化部の部員は帰ってしまったようで人気がない。
「こんなことなら、周りの目なんて気にしなければよかったかな」
そう呟きながら、駆け足で新校舎へ向かう。
しかし、新校舎の職員室トイレを覗くが探し物は見つからない。
もしかして、みんなが部活や帰宅のために校舎の外に出てからやったのだろうか、と思い新校舎も下から上まで探すが見つからない。
「なら、また体育館かな」
それとも、体育館二階の普段だれも使わない来賓用のトイレかもしれない。
そうあたりをつけて、まだ熱心に野球にふける野球部員を尻目にグラウンドの脇を通り抜ける。
そのとき、サラの鼻が嗅ぎなれた臭いを感じた。
「あれ……?」
その臭いは集中しないとすぐ消えてしまうほど、わずかなものだった。
グラウンドの脇にあるちょっとした木々が生えている草むら。
校舎やグラウンドからは死角になっていて、木々の向こうに広がる草むらに何があるかは見えない。
「もしかして」
どの部活もが草むしりを押し付けあった結果、足首ぐらいまで伸びた草に隠れている何か。
その草むらに踏み入ると、見慣れた糞があった。
どれだけ校舎を走り回っても見つからなかったものが、目の前にあった。
目の前にあるということは、八雲はここでしたのだろう。
この青空の下で、まだ部活動をしている生徒も数多くいるこの場所で。
そうリアルに八雲が出している姿を想像してしまい、サラは思わず空を見上げた。
サラはうらやましかった。
自分がまだ一度も見たことのない八雲の脱糞姿をこの空は見ていたのだから。
そう思うや、今まで幾度も見てきたであろう、トイレの天井や壁にまで嫉妬してしまう。
「……八雲」
サラは八雲がただの変態なんじゃないか、という疑問にようやく答えを出した。
「私、八雲のうんち見れて嬉しい」
変態だけれど、それを見て喜んでいる私も同じだ、そうサラは結論付けた。
八雲の臭いを胸いっぱいに吸い込む。
「外は駄目だなあ、いろんな臭いがあってわかりにくいや」
なら、近づけばいい。
そう心が呟くのをサラは確かに聞いた。
けれど、それを実行に移せない。
「けど……」
普段は八雲が言うから仕方なく臭いをかいで形を確認したら、すぐ流していた。
まじまじと顔を近づけることもしないし、鼻を押し付けて臭いを嗅ぐこともしない。
けれど、今サラはそれがしたい。
「駄目だよね、今外だし、まだ部活やってる人たちいるし」
言葉とは裏腹にサラは一歩、八雲の糞に近づく。
「八雲の臭いがする」
草の若々しい匂いや木々の夏めいた匂いよりも、より重厚で強烈な八雲の臭い。
サラは糞の前に中腰でしゃがみこむ。
「今日も綺麗な一本糞。八雲はちゃんとしてるなあ」
形を眺め、臭いを嗅ぐ。
それだけで、本当に八雲の糞を感じているのだろうか。
サラの心の中をある思いつきが占める。
「これ、食べてもいいかな」
八雲が聞いていたら、何と答えただろう。
いいよ……と優しく肯定してくれるだろうか。
それとも、変態……と優しく否定してくれるだろうか。
どちらにしろ、サラの中には八雲が自分を優しくしないイメージはなかった。
スポンサーサイトいぇす! スカっす! パート2
『ゆのっちスケッチ』
宮子はいつものように、何も入っていない胃を押さえていた。
日曜の昼下がり、ゆのは出かけていて朝も昼も食べていない。
食糞を経験してから半月、彼女は三日に一回の頻度で糞を食べている。
あの後沙英にこっぴどく叱られたものの、黙ってゆのの糞を食べているのだ。
当然、ゆのがそれを黙って見過ごすわけもなく、夕飯はお腹いっぱい食べさせてもらっている。
もらっているのだが、宮子は糞を食べ続けている。
「確かにまずいんだけど、なんか癖になるんだよねー」
と宮子は自己分析している。
もちろん、宮子は糞をおいしいと思って食べてはいない。
むしろ不味い上に食べた後体の調子が悪くなるから、やめた方がいいというゆのの理屈もわかっている。
にもかかわらず、宮子はゆのの糞を食べるのをやめられない。
「最後に食べたのいつだっけなあ。六時間目に吉野家先生がいなくなって、早く帰ってこれた日だから」
時間割りで確認すると火曜日だった。
日付を確認した途端、宮子の頭の中には、必死になって糞をださまいとするゆのの姿が浮かんだ。
宮子の中に言いようのない感情が生まれる、主に胃の辺りに。
「よし! このモヤモヤを絵にしよう。あっでも、私いっつもゆのの下にいるから、出してるときのゆのの顔みたことないんだよなー」
もちろん、想像で補うこともできるけれど、宮子はそうせずにペンをしまった。
『宮子さん家の夕飯事情』
ゆのはひだまり荘に帰るのが、少し憂鬱だった。
明日の美術で使う画材がきれていたのを思い出して急遽出かけてから、あることに気づいた。
「宮ちゃん、今日も食べるのかなあ」
食べるというのは、もちろん夕飯のことではない。
ゆのは宮子と一緒に食べる夕飯が好きだし、食費のこともあまり気にしていない。
当然、まだ親からお金を貰って生活している以上、必要以上の贅沢はできないが。
それでも、ゆのは宮子のために料理をして、それを一緒に食べることに問題を感じない。
「でも宮ちゃんはそう思ってないみたいだし」
だから遠慮せずに一緒に同じものを食べて欲しい。
そう思っているのに、宮子は糞を食べると頑固に主張している。
「よし! 宮ちゃんの好きもの作ったら、あんなの食べるって言い出さないはず!」
ゆのは画材を買うのも忘れ、宮子の好きそうなボリュームのある料理の材料を買うためにかけていった。
もう数秒前に「必要以上の贅沢はできない」と慎ましいことを思ったのも忘れているのだろう。
『ひだまり荘大決戦』
「おおー、ゆのっち今日は豪華だねえ」
「うん、お母さんが送ってきてくれたんだけど、食べきれなくてさ」
すきっ腹を抱えながら絵を描いていた宮子は、隣からソースの匂いがするやいなや、ゆのの部屋のテーブル、それもホットプレートと具材の真ん前にどでんと座っていた。
「うん、宮ちゃんソース好きでしょ」
「大好きっ!」
そもそも宮子に嫌いな食べ物はあまりない。
「お好み焼きにー焼きそばにー」
嬉しそうにソースとヘラを戦わせる。
「青海苔は?」
「かけるっ!」
これも量が少しでも増えるからかけるのであって、味とか香りによるものでは、あまりない。
「チーズもいれるよね?」
「おもちは! おもちも入れようよ!」
「えー? お餅? お正月の残ってるかなあ」
言うまでもなく、宮子はゆのがお餅を一つ食べ忘れているのを知っている。
そして、そろそろそれが駄目になりそうなのも把握している。
「ふんわり焼けた生地に濃厚なソースの香り、そして中にはボリューム満点の豚! それらを影で支えるキャベツ! なにより忘れちゃいけないアクセントの紅生姜!」
宮子の見事な解説に、思わずゆのだけでなく、宮子本人すらもますますお腹を鳴らす。
「宮ちゃん、女の子なんだから少しは恥ずかしがろうよー」
「いいじゃん、ゆのっちしか聞いてないんだしー」
「そうだけどー」
『KOKUHAKU こくはく』
「はーお腹一杯だあ」
宮子は腹をさすりながら横になる。
「もー宮ちゃん、食べてすぐ寝たら駄目だよー」
「うんー、わかったー」
言いながらベッドに倒れこむ。
「宮ちゃーん」
ゆのもそう言いながら片付けを始める。
お腹一杯みたいだし、今日はあんなこと言い出さないはず、ゆのはそう思っていた。
「ゆのっちー」
「なにー?」
「あのさー」
「うんー?」
「私さー」
「どうしたの?」
いつも単刀直入な宮子が言いよどんでいる。
何か大切な話なのだろうかと思い、洗い物を中断してゆのは宮子の横に座る。
「ゆののうんこ食べたい」
「……宮ちゃん」
ゆのはどうしていいかわからなかった。
半月前、宮子が糞を食べさせてくれと言ってきたのは、空腹だったからだ。
今日はお腹一杯食べたし、そのご飯の材料も余ったから食べて欲しいと、宮子が引け目を感じないようにしたのに。
どうして、まだあんなものを食べたがるんだろう、ゆのはわからなかった。
「ご飯一杯食べたのに、どうしてそんなこというの?」
「うーんとね、私気づいたんだ。お腹一杯になったらわかった」
「気づいた?」
ゆのが聞き返すと同時に、宮子はがばっと起き上がり、ゆのの肩をつかんだ。
「うん、私はうんこが好きなんじゃなくて、ゆののうんこが好きなんだーって」
『YU ゆの科うんこを食べたいクラス』
部屋が汚れるのはよくない、ということでお風呂場にきた二人。
お湯は張っていないので少し冷えるが、普段と違い服を着ているので寒いとは感じない。
「こ、こうやってお互いの顔を見るの恥ずかしいよお」
「でも、私はゆのの顔が見たい」
宮子のいつになく、真剣な表情を見て、ゆのはなんとなく嬉しかった。
「宮ちゃん、じゃ、じゃあ出すよー」
口に直接出すと服が汚れるので、ゆのは宮子の手をまたいでいる。
その宮子の手はお椀になっている。
ゆのは宮子の顔を見ながら排泄するのが、少し恥ずかしかった。
この間までは、お互い全裸で宮子に大事なところか何までを見られながら、排泄していた。
それよりも、今こうやって、お互いに向き合いながら排泄する方が恥ずかしい。
身長差はあるものの、宮子はぺたんと座って手を出しているのに対して、ゆのはしゃがんでいるため、目線が合う。
普段見上げて見る宮子の顔と、今こうして同じ目線で見詰め合う顔は、やっぱり同じ宮子の顔だった。
「はいよー」
宮子がうなずくのを見て、ゆのはおなかに力を入れる。
踏ん張っているときの顔を見られてる、それだけでゆのはこれから先、宮子に何を見られても動じない気がしていた。
「おーでてきたでてきたー」
嬉しそうに目を輝かせる宮子。
ゆのはそれを見て、恥ずかしいと思うよりも、嬉しかった。
宮ちゃんが喜んでくれる、そう思えたことが嬉しかった。
「さっきお好み焼き食べたからかなあ、ソースの匂いがする」
「そんなに早く消化されないよー」
「そっかーだよねー」
『宮ちゃんスケッチ』
「凄い匂いだけど、宮ちゃん本当に大丈夫なの?」
「うん、もうなれっちゃった」
宮子は手のお椀に盛られた糞を食べていた。
さっきまで食べていたお好み焼きと違って、宮子が心の底から本当に食べたいと思っていた物だ。
「美味しい?」
宮子がもぐもぐしていた糞をごくんと飲み込むのを見てから、たずねた。
こんなに凄い匂いで見ている自分でさ、えづきそうなのに、宮子は楽しそうに口の中に残ったカスを舌で集めていた。
「ううん、すっごい苦いし、口に入れると両目が違う方向向いちゃうぐらい不味い」
そう自己申告するとおり、ゆのの目にも食べているときの宮子は苦しそうに見えた。
「なのに、なんで食べるの?」
「うーん、なんでだろうねー」
そう言うと、宮子はまた手の椀に顔をうずめて、顔全体で味を確かめた。
顔を洗うように手を上下させると、唇だけじゃなく鼻にも少し糞がつく。
「宮ちゃん、きたないよー」
「えへへーごめんごめん」
あやまるものの、宮子は口だけじゃなく顔全体を使って、ゆのの糞を食べることをやめなかった。
口から涎が垂れて服を汚す。
それでも、宮子は咀嚼をやめないし、それどころか零れ落ちた糞を拾ってまで口に収める。
宮子の顔が歪み、顔だけじゃなく足や腰がぶるぶると動いて、食べることに拒否感をしめしているようだった。
「……宮ちゃん」
ゆのは最初は心配そうに眺めていたが、だんだんとそんな必要はないことがわかってきた。
宮子が楽しそうだったからだ。
綺麗な顔は確かに歪んでいるし、口の周りは糞でべとべとだし、口の端からたらーっと糞色の涎が垂れて服を汚している。
時折、ごほごほとえづいてもいる。
それでも、宮子は楽しそうだった。
「ゆののうんこ美味しいよー」
「美味しいの?」
とても美味しそうには見えないゆのは驚いた。
「うん、美味しくない」
「どっちなのー」
「美味しくないけど、幸せなんだっ」
そういって宮子は笑った、いつもと同じように。
けれど、ゆのはそのいつもと同じ笑いにいたるまでが、全く違うことを知っていた。
いつもの細かいことは気にしない、嫌なことも嫌だと思わない、前向きでポジティブな宮子とは違って、ちゃんと嫌なことを嫌だと思った上での笑いだと。
「宮ちゃんっていっつも楽しそうに笑ってるように見えてたけど、本当はもっと綺麗に笑うんだね」
「褒めないでくれたまえ、こうやってるのもゆのっちあってこそなんだから」
「本当に?」
「もちろんだよっ! ゆの以外のじゃあ、こうはならないよ」
「そっか……」
ゆのはいつか、楽しそうな宮ちゃんを絵にしてみよう、そう感じていた。
宮子もいつか、喜んでいるゆのっちを絵にしてみよう、そう感じていた。
宮子はいつものように、何も入っていない胃を押さえていた。
日曜の昼下がり、ゆのは出かけていて朝も昼も食べていない。
食糞を経験してから半月、彼女は三日に一回の頻度で糞を食べている。
あの後沙英にこっぴどく叱られたものの、黙ってゆのの糞を食べているのだ。
当然、ゆのがそれを黙って見過ごすわけもなく、夕飯はお腹いっぱい食べさせてもらっている。
もらっているのだが、宮子は糞を食べ続けている。
「確かにまずいんだけど、なんか癖になるんだよねー」
と宮子は自己分析している。
もちろん、宮子は糞をおいしいと思って食べてはいない。
むしろ不味い上に食べた後体の調子が悪くなるから、やめた方がいいというゆのの理屈もわかっている。
にもかかわらず、宮子はゆのの糞を食べるのをやめられない。
「最後に食べたのいつだっけなあ。六時間目に吉野家先生がいなくなって、早く帰ってこれた日だから」
時間割りで確認すると火曜日だった。
日付を確認した途端、宮子の頭の中には、必死になって糞をださまいとするゆのの姿が浮かんだ。
宮子の中に言いようのない感情が生まれる、主に胃の辺りに。
「よし! このモヤモヤを絵にしよう。あっでも、私いっつもゆのの下にいるから、出してるときのゆのの顔みたことないんだよなー」
もちろん、想像で補うこともできるけれど、宮子はそうせずにペンをしまった。
『宮子さん家の夕飯事情』
ゆのはひだまり荘に帰るのが、少し憂鬱だった。
明日の美術で使う画材がきれていたのを思い出して急遽出かけてから、あることに気づいた。
「宮ちゃん、今日も食べるのかなあ」
食べるというのは、もちろん夕飯のことではない。
ゆのは宮子と一緒に食べる夕飯が好きだし、食費のこともあまり気にしていない。
当然、まだ親からお金を貰って生活している以上、必要以上の贅沢はできないが。
それでも、ゆのは宮子のために料理をして、それを一緒に食べることに問題を感じない。
「でも宮ちゃんはそう思ってないみたいだし」
だから遠慮せずに一緒に同じものを食べて欲しい。
そう思っているのに、宮子は糞を食べると頑固に主張している。
「よし! 宮ちゃんの好きもの作ったら、あんなの食べるって言い出さないはず!」
ゆのは画材を買うのも忘れ、宮子の好きそうなボリュームのある料理の材料を買うためにかけていった。
もう数秒前に「必要以上の贅沢はできない」と慎ましいことを思ったのも忘れているのだろう。
『ひだまり荘大決戦』
「おおー、ゆのっち今日は豪華だねえ」
「うん、お母さんが送ってきてくれたんだけど、食べきれなくてさ」
すきっ腹を抱えながら絵を描いていた宮子は、隣からソースの匂いがするやいなや、ゆのの部屋のテーブル、それもホットプレートと具材の真ん前にどでんと座っていた。
「うん、宮ちゃんソース好きでしょ」
「大好きっ!」
そもそも宮子に嫌いな食べ物はあまりない。
「お好み焼きにー焼きそばにー」
嬉しそうにソースとヘラを戦わせる。
「青海苔は?」
「かけるっ!」
これも量が少しでも増えるからかけるのであって、味とか香りによるものでは、あまりない。
「チーズもいれるよね?」
「おもちは! おもちも入れようよ!」
「えー? お餅? お正月の残ってるかなあ」
言うまでもなく、宮子はゆのがお餅を一つ食べ忘れているのを知っている。
そして、そろそろそれが駄目になりそうなのも把握している。
「ふんわり焼けた生地に濃厚なソースの香り、そして中にはボリューム満点の豚! それらを影で支えるキャベツ! なにより忘れちゃいけないアクセントの紅生姜!」
宮子の見事な解説に、思わずゆのだけでなく、宮子本人すらもますますお腹を鳴らす。
「宮ちゃん、女の子なんだから少しは恥ずかしがろうよー」
「いいじゃん、ゆのっちしか聞いてないんだしー」
「そうだけどー」
『KOKUHAKU こくはく』
「はーお腹一杯だあ」
宮子は腹をさすりながら横になる。
「もー宮ちゃん、食べてすぐ寝たら駄目だよー」
「うんー、わかったー」
言いながらベッドに倒れこむ。
「宮ちゃーん」
ゆのもそう言いながら片付けを始める。
お腹一杯みたいだし、今日はあんなこと言い出さないはず、ゆのはそう思っていた。
「ゆのっちー」
「なにー?」
「あのさー」
「うんー?」
「私さー」
「どうしたの?」
いつも単刀直入な宮子が言いよどんでいる。
何か大切な話なのだろうかと思い、洗い物を中断してゆのは宮子の横に座る。
「ゆののうんこ食べたい」
「……宮ちゃん」
ゆのはどうしていいかわからなかった。
半月前、宮子が糞を食べさせてくれと言ってきたのは、空腹だったからだ。
今日はお腹一杯食べたし、そのご飯の材料も余ったから食べて欲しいと、宮子が引け目を感じないようにしたのに。
どうして、まだあんなものを食べたがるんだろう、ゆのはわからなかった。
「ご飯一杯食べたのに、どうしてそんなこというの?」
「うーんとね、私気づいたんだ。お腹一杯になったらわかった」
「気づいた?」
ゆのが聞き返すと同時に、宮子はがばっと起き上がり、ゆのの肩をつかんだ。
「うん、私はうんこが好きなんじゃなくて、ゆののうんこが好きなんだーって」
『YU ゆの科うんこを食べたいクラス』
部屋が汚れるのはよくない、ということでお風呂場にきた二人。
お湯は張っていないので少し冷えるが、普段と違い服を着ているので寒いとは感じない。
「こ、こうやってお互いの顔を見るの恥ずかしいよお」
「でも、私はゆのの顔が見たい」
宮子のいつになく、真剣な表情を見て、ゆのはなんとなく嬉しかった。
「宮ちゃん、じゃ、じゃあ出すよー」
口に直接出すと服が汚れるので、ゆのは宮子の手をまたいでいる。
その宮子の手はお椀になっている。
ゆのは宮子の顔を見ながら排泄するのが、少し恥ずかしかった。
この間までは、お互い全裸で宮子に大事なところか何までを見られながら、排泄していた。
それよりも、今こうやって、お互いに向き合いながら排泄する方が恥ずかしい。
身長差はあるものの、宮子はぺたんと座って手を出しているのに対して、ゆのはしゃがんでいるため、目線が合う。
普段見上げて見る宮子の顔と、今こうして同じ目線で見詰め合う顔は、やっぱり同じ宮子の顔だった。
「はいよー」
宮子がうなずくのを見て、ゆのはおなかに力を入れる。
踏ん張っているときの顔を見られてる、それだけでゆのはこれから先、宮子に何を見られても動じない気がしていた。
「おーでてきたでてきたー」
嬉しそうに目を輝かせる宮子。
ゆのはそれを見て、恥ずかしいと思うよりも、嬉しかった。
宮ちゃんが喜んでくれる、そう思えたことが嬉しかった。
「さっきお好み焼き食べたからかなあ、ソースの匂いがする」
「そんなに早く消化されないよー」
「そっかーだよねー」
『宮ちゃんスケッチ』
「凄い匂いだけど、宮ちゃん本当に大丈夫なの?」
「うん、もうなれっちゃった」
宮子は手のお椀に盛られた糞を食べていた。
さっきまで食べていたお好み焼きと違って、宮子が心の底から本当に食べたいと思っていた物だ。
「美味しい?」
宮子がもぐもぐしていた糞をごくんと飲み込むのを見てから、たずねた。
こんなに凄い匂いで見ている自分でさ、えづきそうなのに、宮子は楽しそうに口の中に残ったカスを舌で集めていた。
「ううん、すっごい苦いし、口に入れると両目が違う方向向いちゃうぐらい不味い」
そう自己申告するとおり、ゆのの目にも食べているときの宮子は苦しそうに見えた。
「なのに、なんで食べるの?」
「うーん、なんでだろうねー」
そう言うと、宮子はまた手の椀に顔をうずめて、顔全体で味を確かめた。
顔を洗うように手を上下させると、唇だけじゃなく鼻にも少し糞がつく。
「宮ちゃん、きたないよー」
「えへへーごめんごめん」
あやまるものの、宮子は口だけじゃなく顔全体を使って、ゆのの糞を食べることをやめなかった。
口から涎が垂れて服を汚す。
それでも、宮子は咀嚼をやめないし、それどころか零れ落ちた糞を拾ってまで口に収める。
宮子の顔が歪み、顔だけじゃなく足や腰がぶるぶると動いて、食べることに拒否感をしめしているようだった。
「……宮ちゃん」
ゆのは最初は心配そうに眺めていたが、だんだんとそんな必要はないことがわかってきた。
宮子が楽しそうだったからだ。
綺麗な顔は確かに歪んでいるし、口の周りは糞でべとべとだし、口の端からたらーっと糞色の涎が垂れて服を汚している。
時折、ごほごほとえづいてもいる。
それでも、宮子は楽しそうだった。
「ゆののうんこ美味しいよー」
「美味しいの?」
とても美味しそうには見えないゆのは驚いた。
「うん、美味しくない」
「どっちなのー」
「美味しくないけど、幸せなんだっ」
そういって宮子は笑った、いつもと同じように。
けれど、ゆのはそのいつもと同じ笑いにいたるまでが、全く違うことを知っていた。
いつもの細かいことは気にしない、嫌なことも嫌だと思わない、前向きでポジティブな宮子とは違って、ちゃんと嫌なことを嫌だと思った上での笑いだと。
「宮ちゃんっていっつも楽しそうに笑ってるように見えてたけど、本当はもっと綺麗に笑うんだね」
「褒めないでくれたまえ、こうやってるのもゆのっちあってこそなんだから」
「本当に?」
「もちろんだよっ! ゆの以外のじゃあ、こうはならないよ」
「そっか……」
ゆのはいつか、楽しそうな宮ちゃんを絵にしてみよう、そう感じていた。
宮子もいつか、喜んでいるゆのっちを絵にしてみよう、そう感じていた。
いぇす! スカっす!
『ひだまりスケッチ』
おなかすいたー。
宮子のお腹は、そんな言葉で膨れ上がったのだった。
「当然、言葉でお腹が膨れるわけもなく…… どうしてお腹が減るのやら」
彼女がお腹を空かせているのも、一人空想にふけるのも、ひだまり荘ではおなじみの風景だった。
「今ここで警察につかまったらカツ丼食べさせてもらえるかなー」
同じように空想にふけるゆのとはまた違った、少し地に足がついているようでついていない方向ではあるものの、宮子も他の住民と同じように年頃の女の子である。
「あーあ、でも半月ぐらいゆのやヒロさんに食べさせてもらってるしなー」
故に時たま、万に一つ、極まれに、一生に二三度ぐらい、彼女も他人に迷惑をかけないでおこう、という気持ちが芽生えたりもする。
「芽生えた! 芽生えドライブ!」
方向性の違いはさておきである。
「そうじゃん、そうじゃん、なんで今まで気づかなかったんだろう。
私がみんなと同じご飯を食べるから、沙英さんにも色々言われるんじゃん。
だから考えたのだ! 私がゆのやヒロさんにあまり迷惑をかけずにお腹いっぱいになる解決策を!」
「え? え? 別に私は宮ちゃんと一緒にご飯食べるの好きだけど……?」
芽生えドライブが発動した瞬間、宮子はゆのの部屋にやってきた。
そして突然ゆのに対して語り始めたのだ、その画期的な解決策を。
「ゆのっちのうんこ食べさせて」
「み、宮ちゃ〜ん。な、なに言ってるの?」
「ゆのやヒロさんがおいしいご飯を食べて、私はそのおいしいご飯を消化したものを食べる。うーん、食物連鎖!」
「宮ちゃん、それおかしいよ……」
「えーどこがおかしいの? ゆのはお腹一杯だからわかんないだけだよ」
「そ、そうかなー。たしかにカバはお母さんのうんちを食べるって言うし……」
決してそんなことはない。
とゆのも実際はわかっているのだが、ギャグにしては少し真剣味があるため考えこってしまった。
「そうそう、だから食べさせて欲しいのじゃ…… ゆの母さんや」
「ははは、宮ちゃん誰それ」
宮子の祖母はボケていて嫁に対して排泄物をせがるようになってしまい、どうしうもなく、時たま宮子が排泄物を与えていたという暗い過去は当然ない。
と思われる。
「いいから、早く食べさせてよー!」
「そんなこと言われても、すぐには出せないよ」
もう食べさせることが決まりになっているのは、宮子の話術の力だろうか、ゆのの流されやすい性格によるものだろうか。
「うーん、ここかなー、ゆのっちのうんこスイッチはー」
「や、やめてよ宮ちゃーん」
『磨きましょ』
「出てこないなー」
ツンツンと指先でゆののうんこスイッチ、こと肛門を下着の上からつつく。
「出てもこのままじゃ下着についちゃうよー」
「それもそうか、よし! ゆの! 裸になろう!」
言うやいなや、脱ぎだす宮子。
あっというまに形の良い臀部や胸があらわになる。
「宮ちゃんきれー」
友人にうんこを食べさせる間際の台詞としては、酷く面白い。
「そうかなー、ゆのの方が可愛いじゃん、子供らしくて」
「子供っ!」
痛いところをつかれて、事実肛門をつつかれているのだが、少し落ち込むゆの。
「まあまあ、これから成長期なわけだし磨くためにも、肌をあらわにして私の空腹を満たすのだー!」
「う、うっん! 私頑張るね!」
うんこを食べさせることと、綺麗になることの因果関係は彼女たちにしかわからない空想なのだろう。
『ひとつの鍵』
「はーいゆのっち、私の上にかかがんでー」
「は、恥ずかしいよ、そんなの」
「でも、そうしてくれないと、うんこ食べれないじゃん」
「そうだけどー、いくら宮ちゃんでもそ、そのうんちするの見せるの恥ずかしいし…… それにそんなの食べたら病気になっちゃうよ」
今まで幾多の暴走を目にしてきたからだろう、そろそろこれが本気だということに気づいたようだ。
だがもう、空腹の宮子を止めるすべはゆのにはなかった。
「ゆの。よーく考えてごらん。ゆのは昨日なに食べた?」
「宮ちゃんと同じそうめんだけど?」
「じゃあ、ゆののお腹にあるのは?」
「そうめん」
「じゃあ、出てくるのは?」
「そうめん……?」
「そのとおりだよ! ゆのっちの中に確かにそうめんは吸収されるけど、出てくるものはそうめん以外の何者でもないよ! だって質量保存の法則があるから!」
「そ、そっか……」
詭弁にもなっていないが、ゆのの目をごまかすには十分だったようだ。
「さあ、わかったならかがんで、かがんで」
「う、うん、でも恥ずかしいな……」
「大丈夫、ゆのっちの鍵穴をあける鍵はひとつしかないんだから」
「え? え? どういう意味? そ、それってもしかして…… 宮ちゃんがわ、私のは、はじめての……」
「沙英さんの小説に書いてあっただけで、深い意味わかんない、いいから早くかがんで」
「わ、わかったっ」
『キラリヒラリ』
「おーゆのは毛がうすいなー」
何だかんだで全裸にしたゆのの股間にしかれながら、宮子は絶景を楽しんでいた。
「み、宮ちゃーん、そんなこと声に出さないでよー」
口に肛門があたるように、宮子をまたぐゆの。
宮子は自分のいった論理を信じているのか、そうめんを待つかのように、口をすぼめる。
「うーん、やっぱりでないよー」
「スイッチオン!」
突然、すぼめた口から下で肛門をつつく。
予想にもしていなかったゆのは、体をふるわせる。
「ひゃっ。は、恥ずかしいよー」
「ほらー、はやくはやくー」
口をすぼめて舌でつつきながら催促する。
何度もそれを繰り返すうちに、舌による刺激ではなく、自らの内臓の動きで肛門がひくついてきた。
「おお、ついに二日目のそうめんとご対面だー」
「うーうー」
顔を真っ赤にしてきばる。
幾度かひくついて、ついに色素の薄い糞が出てきた。
「おー、細いからひらひら揺れてるよー」
「や、やめてぇ」
ゆのが手で顔を押さえて、少し腰を揺らした瞬間。
垂れ下がっていた糞がきらりと部屋の照明に揺られながら、ひらりと落ちた。
「あむっ!」
それをすかさず口にする宮子。
『お菓子工場』
「もぐもぐもぐもぐ」
いきなり口全体を使って租借を始める。
さすがの宮子にも強烈の味だったようで何度か噛むと、苦味に耐えるように目をつむる。
「こ、これは……」
「やっ、やっぱりおいしくないよ、う、うんちなんてぇー」
ゆのの文句を無視して、何故か斜め上のほうに目をやりながら、口だけでなく舌も使って糞の味を堪能する。
食べれたものではないとわかっていても、最後まで味わわないと気がすまないようだ。
「ぐちゃぐちゃぐちゃ」
それでも口の中に糞臭が充満して鼻に上ってくるのは耐えられないようで、口をあけてだらしなく新鮮な酸素を飲み込もうとする。
そうしたまま、口を動かすため、部屋中に糞を噛み砕く音が聞こえる。
「無理して食べちゃだめだよ、病気になるよー」
ゆのがそういうのも聞かず、宮子は糞の味に夢中になっていた。
確かに食べれたものではない。
ただそれでも、空気や水道水と違い苦味ではあるものの味がある。
そして固形物であるため食べている実感がある。
宮子はゆのがまるで、さびれて砂糖を使う資金がなくなり仕方無しに風邪薬を混ぜているお菓子工場のように見えた。
もちろん、それすら糞と比べればまだましだとは、宮子の考えにはない。
『芽生えドライブ』
「ど、どうだった?」
宮子が握りこぶしを作りながら必死に嚥下した姿を見届け、服を着たゆのは宮子にそう聞いた。
もし具合が悪いようなら吐かせた方がいいのかな、でも今の宮ちゃんだとそれすらも食べるとか言い出しそうだし、などと行き過ぎた妄想をしながら。
「う、うん、まずくはなかったよ」
さすがの宮子も糞食初体験は強烈だったようで、息も絶え絶えになりながら、歯を磨きにいった。
当然ここはゆのの部屋なので、その歯ブラシはゆののなのだが、二人ともそれには気づいていない。
「でも、私はもっと甘みがあるほうが……」
「そんなの無理じゃないかな…… だってその、やっぱり、う、うんちには変わりないわけだし」
「いや! そうめんを食べたゆののうんこが苦いなら!」
どうやらまた宮子の中で何かが芽生えたようだ。
「芽生えた! 芽生えドライブ発動だー!」
「え? え? な、なに?」
「普段甘いものばっかり食べてるヒロさんのうんこなら、さっきのより甘いに違いない!」
「えーーーー!!!」
「ヒーーーローーーさーーん」
「宮ちゃん、だ、だめだよー」
何時間か後、固形糞は臭いが鼻について食べれた物じゃない、もっと不健康な生活をしていて下痢糞なら食べられるかもしれない。
という発想から沙英の糞を食べることになるのだが、それはそれで食べ応えがないと不満になる。
そして結局このひだまり壮での宮子の食糞体験は、次々に色々な糞に手を出すことになってしまう始まりにすぎないのであった。
おなかすいたー。
宮子のお腹は、そんな言葉で膨れ上がったのだった。
「当然、言葉でお腹が膨れるわけもなく…… どうしてお腹が減るのやら」
彼女がお腹を空かせているのも、一人空想にふけるのも、ひだまり荘ではおなじみの風景だった。
「今ここで警察につかまったらカツ丼食べさせてもらえるかなー」
同じように空想にふけるゆのとはまた違った、少し地に足がついているようでついていない方向ではあるものの、宮子も他の住民と同じように年頃の女の子である。
「あーあ、でも半月ぐらいゆのやヒロさんに食べさせてもらってるしなー」
故に時たま、万に一つ、極まれに、一生に二三度ぐらい、彼女も他人に迷惑をかけないでおこう、という気持ちが芽生えたりもする。
「芽生えた! 芽生えドライブ!」
方向性の違いはさておきである。
「そうじゃん、そうじゃん、なんで今まで気づかなかったんだろう。
私がみんなと同じご飯を食べるから、沙英さんにも色々言われるんじゃん。
だから考えたのだ! 私がゆのやヒロさんにあまり迷惑をかけずにお腹いっぱいになる解決策を!」
「え? え? 別に私は宮ちゃんと一緒にご飯食べるの好きだけど……?」
芽生えドライブが発動した瞬間、宮子はゆのの部屋にやってきた。
そして突然ゆのに対して語り始めたのだ、その画期的な解決策を。
「ゆのっちのうんこ食べさせて」
「み、宮ちゃ〜ん。な、なに言ってるの?」
「ゆのやヒロさんがおいしいご飯を食べて、私はそのおいしいご飯を消化したものを食べる。うーん、食物連鎖!」
「宮ちゃん、それおかしいよ……」
「えーどこがおかしいの? ゆのはお腹一杯だからわかんないだけだよ」
「そ、そうかなー。たしかにカバはお母さんのうんちを食べるって言うし……」
決してそんなことはない。
とゆのも実際はわかっているのだが、ギャグにしては少し真剣味があるため考えこってしまった。
「そうそう、だから食べさせて欲しいのじゃ…… ゆの母さんや」
「ははは、宮ちゃん誰それ」
宮子の祖母はボケていて嫁に対して排泄物をせがるようになってしまい、どうしうもなく、時たま宮子が排泄物を与えていたという暗い過去は当然ない。
と思われる。
「いいから、早く食べさせてよー!」
「そんなこと言われても、すぐには出せないよ」
もう食べさせることが決まりになっているのは、宮子の話術の力だろうか、ゆのの流されやすい性格によるものだろうか。
「うーん、ここかなー、ゆのっちのうんこスイッチはー」
「や、やめてよ宮ちゃーん」
『磨きましょ』
「出てこないなー」
ツンツンと指先でゆののうんこスイッチ、こと肛門を下着の上からつつく。
「出てもこのままじゃ下着についちゃうよー」
「それもそうか、よし! ゆの! 裸になろう!」
言うやいなや、脱ぎだす宮子。
あっというまに形の良い臀部や胸があらわになる。
「宮ちゃんきれー」
友人にうんこを食べさせる間際の台詞としては、酷く面白い。
「そうかなー、ゆのの方が可愛いじゃん、子供らしくて」
「子供っ!」
痛いところをつかれて、事実肛門をつつかれているのだが、少し落ち込むゆの。
「まあまあ、これから成長期なわけだし磨くためにも、肌をあらわにして私の空腹を満たすのだー!」
「う、うっん! 私頑張るね!」
うんこを食べさせることと、綺麗になることの因果関係は彼女たちにしかわからない空想なのだろう。
『ひとつの鍵』
「はーいゆのっち、私の上にかかがんでー」
「は、恥ずかしいよ、そんなの」
「でも、そうしてくれないと、うんこ食べれないじゃん」
「そうだけどー、いくら宮ちゃんでもそ、そのうんちするの見せるの恥ずかしいし…… それにそんなの食べたら病気になっちゃうよ」
今まで幾多の暴走を目にしてきたからだろう、そろそろこれが本気だということに気づいたようだ。
だがもう、空腹の宮子を止めるすべはゆのにはなかった。
「ゆの。よーく考えてごらん。ゆのは昨日なに食べた?」
「宮ちゃんと同じそうめんだけど?」
「じゃあ、ゆののお腹にあるのは?」
「そうめん」
「じゃあ、出てくるのは?」
「そうめん……?」
「そのとおりだよ! ゆのっちの中に確かにそうめんは吸収されるけど、出てくるものはそうめん以外の何者でもないよ! だって質量保存の法則があるから!」
「そ、そっか……」
詭弁にもなっていないが、ゆのの目をごまかすには十分だったようだ。
「さあ、わかったならかがんで、かがんで」
「う、うん、でも恥ずかしいな……」
「大丈夫、ゆのっちの鍵穴をあける鍵はひとつしかないんだから」
「え? え? どういう意味? そ、それってもしかして…… 宮ちゃんがわ、私のは、はじめての……」
「沙英さんの小説に書いてあっただけで、深い意味わかんない、いいから早くかがんで」
「わ、わかったっ」
『キラリヒラリ』
「おーゆのは毛がうすいなー」
何だかんだで全裸にしたゆのの股間にしかれながら、宮子は絶景を楽しんでいた。
「み、宮ちゃーん、そんなこと声に出さないでよー」
口に肛門があたるように、宮子をまたぐゆの。
宮子は自分のいった論理を信じているのか、そうめんを待つかのように、口をすぼめる。
「うーん、やっぱりでないよー」
「スイッチオン!」
突然、すぼめた口から下で肛門をつつく。
予想にもしていなかったゆのは、体をふるわせる。
「ひゃっ。は、恥ずかしいよー」
「ほらー、はやくはやくー」
口をすぼめて舌でつつきながら催促する。
何度もそれを繰り返すうちに、舌による刺激ではなく、自らの内臓の動きで肛門がひくついてきた。
「おお、ついに二日目のそうめんとご対面だー」
「うーうー」
顔を真っ赤にしてきばる。
幾度かひくついて、ついに色素の薄い糞が出てきた。
「おー、細いからひらひら揺れてるよー」
「や、やめてぇ」
ゆのが手で顔を押さえて、少し腰を揺らした瞬間。
垂れ下がっていた糞がきらりと部屋の照明に揺られながら、ひらりと落ちた。
「あむっ!」
それをすかさず口にする宮子。
『お菓子工場』
「もぐもぐもぐもぐ」
いきなり口全体を使って租借を始める。
さすがの宮子にも強烈の味だったようで何度か噛むと、苦味に耐えるように目をつむる。
「こ、これは……」
「やっ、やっぱりおいしくないよ、う、うんちなんてぇー」
ゆのの文句を無視して、何故か斜め上のほうに目をやりながら、口だけでなく舌も使って糞の味を堪能する。
食べれたものではないとわかっていても、最後まで味わわないと気がすまないようだ。
「ぐちゃぐちゃぐちゃ」
それでも口の中に糞臭が充満して鼻に上ってくるのは耐えられないようで、口をあけてだらしなく新鮮な酸素を飲み込もうとする。
そうしたまま、口を動かすため、部屋中に糞を噛み砕く音が聞こえる。
「無理して食べちゃだめだよ、病気になるよー」
ゆのがそういうのも聞かず、宮子は糞の味に夢中になっていた。
確かに食べれたものではない。
ただそれでも、空気や水道水と違い苦味ではあるものの味がある。
そして固形物であるため食べている実感がある。
宮子はゆのがまるで、さびれて砂糖を使う資金がなくなり仕方無しに風邪薬を混ぜているお菓子工場のように見えた。
もちろん、それすら糞と比べればまだましだとは、宮子の考えにはない。
『芽生えドライブ』
「ど、どうだった?」
宮子が握りこぶしを作りながら必死に嚥下した姿を見届け、服を着たゆのは宮子にそう聞いた。
もし具合が悪いようなら吐かせた方がいいのかな、でも今の宮ちゃんだとそれすらも食べるとか言い出しそうだし、などと行き過ぎた妄想をしながら。
「う、うん、まずくはなかったよ」
さすがの宮子も糞食初体験は強烈だったようで、息も絶え絶えになりながら、歯を磨きにいった。
当然ここはゆのの部屋なので、その歯ブラシはゆののなのだが、二人ともそれには気づいていない。
「でも、私はもっと甘みがあるほうが……」
「そんなの無理じゃないかな…… だってその、やっぱり、う、うんちには変わりないわけだし」
「いや! そうめんを食べたゆののうんこが苦いなら!」
どうやらまた宮子の中で何かが芽生えたようだ。
「芽生えた! 芽生えドライブ発動だー!」
「え? え? な、なに?」
「普段甘いものばっかり食べてるヒロさんのうんこなら、さっきのより甘いに違いない!」
「えーーーー!!!」
「ヒーーーローーーさーーん」
「宮ちゃん、だ、だめだよー」
何時間か後、固形糞は臭いが鼻について食べれた物じゃない、もっと不健康な生活をしていて下痢糞なら食べられるかもしれない。
という発想から沙英の糞を食べることになるのだが、それはそれで食べ応えがないと不満になる。
そして結局このひだまり壮での宮子の食糞体験は、次々に色々な糞に手を出すことになってしまう始まりにすぎないのであった。
「私が糞になる-食糞応援団の冒険-」
「私が糞になる-食糞応援団の冒険-」
食糞応援団とは、糞を食べるスカトロジストたちを日夜応援する団体である。
ああ、お糞様を胃の中に納めたい。
それも、ビチビチの下痢糞をお皿に入れて。
もちろん、スプーンやストローなんかは使わない。
犬のように、床に置いた皿に顔を近づけて食べるのだ。
「茶野さん、授業中。よだれ拭いて、顔引き締めて」
後ろの席の横溝さんが小声で注意してくれた。
お糞様を食べることを考えてたら、顔が緩んでしまって、ノートはよだれの海に沈没していた。
自分が糞を食べているときの顔なんて、きっと他人に見せられた物じゃない。
よだれの量から推測するに、十分間程度妄想にふけっていたようだ。
「ありがとう、早めに注意してくれて」
お礼を言っておく、これでも一応恋に恋する乙女なのだ、クラスメイトの前で酷い顔は見せれない。
ああ、それにしてもお糞様を口いっぱいに頬張りたいなあ……
「六番さん。お客様としてはお久しぶりです」
ここは「食糞応援団」の部室(団室?)。
私が食糞に目覚めて以来、なんどもお世話になっている部屋だ。
「はい、お久しぶりです団長」
団長、と呼びかけたものの、応答したのが本当に団長かどうかはわからない。
彼の姿は暗幕の後ろに隠れており、見ることができない。
そもそも、声や団長という役職から男だと思っているけど、実は女の子かも。
「六番さんとまた会えたことを光栄に思います」
この六番というのは、私の団員番号。
食糞、というアブノーマルの中のアブノーマルを学校というノーマルな場で扱うための、匿名制度。
それがしっかりしているのも、この団の魅力だ。
もっとも、それは私達団員を管理している団長、つまり上下の関係においてのみの話だ。
横のつながりである、私達同士はお互いを良く知っている、それこそ糞の形や匂い、もちろん味まで。
ただ、団外での接触はご法度なので、好きなドーナツだとか、使ってる携帯だとかは知らないのが、少し面白い。
好きなドーナツは、多分うんこドーナツだろうけれど。
本当は名前も知っちゃダメなんだけど、同じ学校で生活していると顔を知ってしまうと、どうしてもクラスや学年もわかってしまう。
「で、今日はどのようなコースになさりますか」
「下痢糞でお願いします」
「出したてでよろしいですよね?」
「もちろん」
出したてじゃないと健康に悪いからね。
「えーっと、下痢糞がたまってる人の連絡待ちなんで、本でも読んでてください」
こういうとき、お茶でもどうぞ、といかないのがこの団の魅力だ。
この部屋に入ったら、受付のときからもうプレイは始まっている。
だから、お茶、なんて迂闊に言ったら、それが尿を意味してしまう。
「はーい」
本、と言ってもココにあるのはもちろん、糞を食べる小説だとか、糞を食べる写真集だとかだ。
私がはまっているのは、私と同じ三年生の女の子がオラクルを受けて糞を食べ始める日記。
元々は今世間で流行りのブログに掲載されてたらしく、これはそれを印刷したもの。
二十分ほど他人の日記を読んでいると、下痢糞持ちが見つかったらしく団長の呼び出しの声が聞こえた。
「二番さんと九番さんと十四番さんが、下痢だそうです、誰にしますか?」
もちろん、多人数の糞を食べることも認められているが、それはどうも他の団員に気兼ねしてしまう。
なにしろ、糞は有限なのだ。
ギブアンドテイク、五人分の糞を食べたら、自分もは五日分の糞を誰かに与えなければいけない。
もっとも、私はここ何週間は与える側に回っていたので、大量に食べる権利はあるのだけれど。
ただ、大量に食べると最低一週間はベットの中ですごすハメになるのは、経験上わかっていた。
受験生としては自重しないと。
「えーっと、じゃあ二番さんで」
二番、こと折原花さん。
確か文芸部に所属してる二年生。
二年生なのに一年に入団した私より番号が若いのは、食糞応援団七不思議の一つだと思う。
彼女を選んだ理由は、ずばり「糞が食べやすい」からだ。
九番や十四番の人が悪いとは言わないけれど、花さんの糞はずば抜けてる。
「わかりました、じゃああちらの部屋でお待ちください」
プレイ用の小部屋に入り、明かりのスイッチを押す。
この部屋は、浴室のようにタイル張りになっていて汚れ、この場合は糞、を簡単に洗い流せる。
それでも、たくさんの糞便の匂いは今もこもっている。
トイレとは違って尿のすえたアンモニアの匂いは、ほとんどしない。
私もだが、団員の子はあまり尿には興味がないから、この部屋は糞だけの部屋。
「先輩どうもです」
「よろしく」
花さん……改め二番さんがやってきた。
「どこに出しますか? 口に直接? 手でお皿? それとも本当のお皿ですか?」
この前置きがいらないのも彼女を選んだ理由。
結構食べさせるまでの演技とかをする人もいるけど、私はあまり好きじゃない。
「えっと、じゃあ手で器作るから、そこにして」
「わかりましたー」
さっそく彼女は便所すわりをする。
「はい、すぐ出ますから手出してください」
「うん」
尻の下に手でお椀を作って待つ。
「出ます」
その声が聞こえるよりも先に、この部屋と同じ、だけれどもそれより濃厚な臭いが私の嗅覚を襲う。
それを満喫しようと、鼻で思いっきり臭いを吸う。
臭い、やっぱり生理的にこの臭いにはなれない。
そう臭いに関する考察をしていると、手に向かって一気にシチューのような糞が放出される。
手の感覚を通じて、味や臭いも伝わってくる。
私が口に直接出すのを好まないのは、これが原因だ。
糞は嗅覚や味覚だけでなく、触覚でも味わえる。
「んっ、こんなもんですけど、いいですか?」
「うん、あんまり食べ過ぎてもダメだしね」
彼女の言うとおり、量はあまりない。
指の関節は根本まで全部見れるていど、汁気で水増しされててそれぐらいだから、本当に少しだ。
「すいません、もっと出るかと思ったんですが」
「ううん、ありがとう」
「じゃあ、私はこれで」
そういって彼女は音を立てて部屋を出て行った。
部屋を出るとき、臭いが逃げないように、ドアをすばやく開け閉めするのは当然のマナーだ。
食べるところを見られて興奮する人もいるけど、私は一人で食べるのが好きだ。
そう言うと、自糞食いでいいじゃないか、という意見をぶつけてくる人もいるけど、そこは人それぞれって奴だ。
「いただきます」
そういって、手首に唇を当てる。
手や鼻で感じていた糞がこんなに近くにある。
赤みが強くて体に悪そうだ。
私は一通り目でも楽しんだ後、一気にすする。
ズルズルっと音を立てて下痢シチューを一旦口の中で味わう。
苦い、というより不味い。
体全体が吐き出せ! と命令してくるけど、私は脳はもちろん肉体全部に反逆して、口に含んだまま、この快楽を存分に味わう。
舌はもちろん、喉も頬も、そして歯さえもこうやって、糞を口に入れることを拒否している。
それは、私の意志も例外ではない。
こんな不味いもの食べたくない。
でも、私はこれを食べたい。
そうやって、脳に言い聞かせながら、喉を鳴らして嚥下する。
通り道である食道や終着駅である胃が暴れだしそうになるのを、必死に抑える。
「ああ、食べちゃった、私ウンコ食べちゃった」
そう声に出すと、自分の息がすごい臭いのが分かる。
もう、私は自分じゃない。
だって、自分を構成してる肉体や脳みそは「うんこなんか食べたくない」って言ってるんだもん。
だから、私は自分じゃない。
そう、私は今糞なのだ。
糞を私は内側に取り込むことで、外側を構成している肉体や脳みそを破壊し、取り込んだ物そのものになっているんだ。
つまり、私の全ては糞になる。
食糞応援団とは、糞を食べるスカトロジストたちを日夜応援する団体である。
ああ、お糞様を胃の中に納めたい。
それも、ビチビチの下痢糞をお皿に入れて。
もちろん、スプーンやストローなんかは使わない。
犬のように、床に置いた皿に顔を近づけて食べるのだ。
「茶野さん、授業中。よだれ拭いて、顔引き締めて」
後ろの席の横溝さんが小声で注意してくれた。
お糞様を食べることを考えてたら、顔が緩んでしまって、ノートはよだれの海に沈没していた。
自分が糞を食べているときの顔なんて、きっと他人に見せられた物じゃない。
よだれの量から推測するに、十分間程度妄想にふけっていたようだ。
「ありがとう、早めに注意してくれて」
お礼を言っておく、これでも一応恋に恋する乙女なのだ、クラスメイトの前で酷い顔は見せれない。
ああ、それにしてもお糞様を口いっぱいに頬張りたいなあ……
「六番さん。お客様としてはお久しぶりです」
ここは「食糞応援団」の部室(団室?)。
私が食糞に目覚めて以来、なんどもお世話になっている部屋だ。
「はい、お久しぶりです団長」
団長、と呼びかけたものの、応答したのが本当に団長かどうかはわからない。
彼の姿は暗幕の後ろに隠れており、見ることができない。
そもそも、声や団長という役職から男だと思っているけど、実は女の子かも。
「六番さんとまた会えたことを光栄に思います」
この六番というのは、私の団員番号。
食糞、というアブノーマルの中のアブノーマルを学校というノーマルな場で扱うための、匿名制度。
それがしっかりしているのも、この団の魅力だ。
もっとも、それは私達団員を管理している団長、つまり上下の関係においてのみの話だ。
横のつながりである、私達同士はお互いを良く知っている、それこそ糞の形や匂い、もちろん味まで。
ただ、団外での接触はご法度なので、好きなドーナツだとか、使ってる携帯だとかは知らないのが、少し面白い。
好きなドーナツは、多分うんこドーナツだろうけれど。
本当は名前も知っちゃダメなんだけど、同じ学校で生活していると顔を知ってしまうと、どうしてもクラスや学年もわかってしまう。
「で、今日はどのようなコースになさりますか」
「下痢糞でお願いします」
「出したてでよろしいですよね?」
「もちろん」
出したてじゃないと健康に悪いからね。
「えーっと、下痢糞がたまってる人の連絡待ちなんで、本でも読んでてください」
こういうとき、お茶でもどうぞ、といかないのがこの団の魅力だ。
この部屋に入ったら、受付のときからもうプレイは始まっている。
だから、お茶、なんて迂闊に言ったら、それが尿を意味してしまう。
「はーい」
本、と言ってもココにあるのはもちろん、糞を食べる小説だとか、糞を食べる写真集だとかだ。
私がはまっているのは、私と同じ三年生の女の子がオラクルを受けて糞を食べ始める日記。
元々は今世間で流行りのブログに掲載されてたらしく、これはそれを印刷したもの。
二十分ほど他人の日記を読んでいると、下痢糞持ちが見つかったらしく団長の呼び出しの声が聞こえた。
「二番さんと九番さんと十四番さんが、下痢だそうです、誰にしますか?」
もちろん、多人数の糞を食べることも認められているが、それはどうも他の団員に気兼ねしてしまう。
なにしろ、糞は有限なのだ。
ギブアンドテイク、五人分の糞を食べたら、自分もは五日分の糞を誰かに与えなければいけない。
もっとも、私はここ何週間は与える側に回っていたので、大量に食べる権利はあるのだけれど。
ただ、大量に食べると最低一週間はベットの中ですごすハメになるのは、経験上わかっていた。
受験生としては自重しないと。
「えーっと、じゃあ二番さんで」
二番、こと折原花さん。
確か文芸部に所属してる二年生。
二年生なのに一年に入団した私より番号が若いのは、食糞応援団七不思議の一つだと思う。
彼女を選んだ理由は、ずばり「糞が食べやすい」からだ。
九番や十四番の人が悪いとは言わないけれど、花さんの糞はずば抜けてる。
「わかりました、じゃああちらの部屋でお待ちください」
プレイ用の小部屋に入り、明かりのスイッチを押す。
この部屋は、浴室のようにタイル張りになっていて汚れ、この場合は糞、を簡単に洗い流せる。
それでも、たくさんの糞便の匂いは今もこもっている。
トイレとは違って尿のすえたアンモニアの匂いは、ほとんどしない。
私もだが、団員の子はあまり尿には興味がないから、この部屋は糞だけの部屋。
「先輩どうもです」
「よろしく」
花さん……改め二番さんがやってきた。
「どこに出しますか? 口に直接? 手でお皿? それとも本当のお皿ですか?」
この前置きがいらないのも彼女を選んだ理由。
結構食べさせるまでの演技とかをする人もいるけど、私はあまり好きじゃない。
「えっと、じゃあ手で器作るから、そこにして」
「わかりましたー」
さっそく彼女は便所すわりをする。
「はい、すぐ出ますから手出してください」
「うん」
尻の下に手でお椀を作って待つ。
「出ます」
その声が聞こえるよりも先に、この部屋と同じ、だけれどもそれより濃厚な臭いが私の嗅覚を襲う。
それを満喫しようと、鼻で思いっきり臭いを吸う。
臭い、やっぱり生理的にこの臭いにはなれない。
そう臭いに関する考察をしていると、手に向かって一気にシチューのような糞が放出される。
手の感覚を通じて、味や臭いも伝わってくる。
私が口に直接出すのを好まないのは、これが原因だ。
糞は嗅覚や味覚だけでなく、触覚でも味わえる。
「んっ、こんなもんですけど、いいですか?」
「うん、あんまり食べ過ぎてもダメだしね」
彼女の言うとおり、量はあまりない。
指の関節は根本まで全部見れるていど、汁気で水増しされててそれぐらいだから、本当に少しだ。
「すいません、もっと出るかと思ったんですが」
「ううん、ありがとう」
「じゃあ、私はこれで」
そういって彼女は音を立てて部屋を出て行った。
部屋を出るとき、臭いが逃げないように、ドアをすばやく開け閉めするのは当然のマナーだ。
食べるところを見られて興奮する人もいるけど、私は一人で食べるのが好きだ。
そう言うと、自糞食いでいいじゃないか、という意見をぶつけてくる人もいるけど、そこは人それぞれって奴だ。
「いただきます」
そういって、手首に唇を当てる。
手や鼻で感じていた糞がこんなに近くにある。
赤みが強くて体に悪そうだ。
私は一通り目でも楽しんだ後、一気にすする。
ズルズルっと音を立てて下痢シチューを一旦口の中で味わう。
苦い、というより不味い。
体全体が吐き出せ! と命令してくるけど、私は脳はもちろん肉体全部に反逆して、口に含んだまま、この快楽を存分に味わう。
舌はもちろん、喉も頬も、そして歯さえもこうやって、糞を口に入れることを拒否している。
それは、私の意志も例外ではない。
こんな不味いもの食べたくない。
でも、私はこれを食べたい。
そうやって、脳に言い聞かせながら、喉を鳴らして嚥下する。
通り道である食道や終着駅である胃が暴れだしそうになるのを、必死に抑える。
「ああ、食べちゃった、私ウンコ食べちゃった」
そう声に出すと、自分の息がすごい臭いのが分かる。
もう、私は自分じゃない。
だって、自分を構成してる肉体や脳みそは「うんこなんか食べたくない」って言ってるんだもん。
だから、私は自分じゃない。
そう、私は今糞なのだ。
糞を私は内側に取り込むことで、外側を構成している肉体や脳みそを破壊し、取り込んだ物そのものになっているんだ。
つまり、私の全ては糞になる。
「TOD-食べるOR出す-」その二
楽しい小学生ライフを送るにはお金がかかる。
漫画雑誌も書いたいし、匂いつき消しゴムも欲しいし、最近流行ってる六角形のビーズも欲しい。
友達と帰り道にたこ焼きだって食べたい。
にもかかわらず、私のお小遣いは非常に少ない。
少ないというよりは、私の欲望が大きいのだと母はよく言うが、そんなことを言われる筋合いはない。
なにしろ「食べるだけじゃなくて、命令されて食べるのがいいのに、どうしてそんなこともわからないの?」と私を叱っている。
母の欲望だって与えられるものより十分大きいのだから、私だって大きくて悪いことはないはずだ。
だから、こうやってお小遣いを稼ぐぐらいは認めて欲しい。
なにも体を売ろうとか、悪いことをしようなんて言ってないし、何よりこれは担任の先生が持ちかけてきたのだし。
----
「ひ、灯登美ちゃんは、こういうことする人のこと、その、どう思う?」
「こういうことって?」
わかっているけど聞く。
先生に限らず私の周りのこういうことが好きな連中は、どうもこういうことが好きな自分が恥ずかしいらしい。
姉や母は例外なのが、世の中上手く出来てると思う。
「その、だから、……うんちを食べたりするの」
最後の方は小声で聞き取りにくい。
「いいと思うよ。食べてるときのせんせーってすっごいかわいいし」
かわいいわけがない。
元々不細工な顔がさらに見るにたえなくなる。
目は引きつるし不恰好な眉が歪むのも見たくない。
「ほ、ほんとう?」
「うん、いっぱい臭いを嗅ごうととしてお鼻をヒクヒクさせてるところか、うれしさで手だけじゃなくて足までバタバタさせてるところか、大人なのに子供っぽくてかわいいよ」
たださえも鼻の穴が前のめりになってるのに、余計に上がって気持ち悪いし、手とか足をバタつかせるのはもう、気持ち悪いを通り越して怖い。
だけど、そんなことは当然口には出さない。
機嫌悪くして次から頼んでもらえなくなるのも嫌だから。
姉や母に対しては遠慮なく言うが、お客さんに対しては仕方ない。
「う、うれしい。あ、あのじゃあ、今日は私が食べるところ見ててくれるかな?」
「うんいいよっ」
私と先生が出す側食べる側の関係になって部屋に通いだしてから、もう半年。
先生は小学生の糞を食べるという罪悪感があるらしい。
だからいつも、私が出したら幾許かのお金を渡して私を帰す。
それからゆっくり食べているのだが、今日は違うようだ。
でもまあ、忘れ物しても怒られないし、うっとおしい体育はサボれるし、お小遣いももらえるし、これぐらいのサービスは仕方ない。
「いつものように、このお皿に出してきてもらえる?」
ちんまい悪魔の周りを天使が囲っている模様の、いつものお皿だ。
先生はいつもこのお皿で朝ごはんや晩ごはんを食べているらしい。
同じ趣味でも違うようで、姉や母は食事の場とこういう行為は分けて考えている。
だが先生は普段の生活とこういう行為が近づけば近づくほど興奮するらしく、一度だけお弁当箱に入れてくれと頼まれたことがある。
さすがにどうかと思って断ろうとしたが、あまりにも拝み倒されて承諾してしまった。
まあ次の日が給食の日だから、学校に持ってくることはないと見越したところもある。
「はーい、わかりました」
お皿を受け取ってトイレに行く。
これも罪悪感によるものなのか、先生は私が出す姿を見たくないらしい。
もう何度も来たことのあるトレイ。
掃除が行き届いているし、便座カバーについたキャラクターも黄ばんでたりしない。
こういう趣味の癖に綺麗付きだ。
部屋も片付いてるし、台所は少しちらかっているのは愛嬌だろう。
仕事もまあそこそこ出来て、家事もできて、きっと親御さんの教育がよかったんだろう、私と違って。
「じゃあー出すよー」
「う、うんおねがいねー」
トイレに入ったものの、便器にはまたがらずマットの上に皿を置いて、そっちをまたぐ。
下半身に力をいれて気張る。
穴が広がり、内臓が外にさらけ出されるような、感覚が体を走る。
我慢していただけあって、型崩れせずに出せそうだった。
----
「わー……」
声にならないとはこのことだろう。
彼女はうれしそうに、普段は目玉焼きやハンバーグを乗せて食べている皿に顔をうずくめようとする。
「せんせー、そんなにがっつかないでよ」
「ご、ごめんなさい」
経験上糞の形を崩されると、臭いがきつくなる。
いくら自分のだからといって、嗅ぎたいとは思わない。
「で、では…… いただききます!」
普段隣のクラスの横溝先生には「もう少しハキハキしないと」と怒られているのに、こういうときだけ元気がいい。
「こうやって見てればいいの?」
「う、うん、おねがひまふ」
途中から言葉になっていない。
中には少しづつ舐めたりしてから食べる人もいるが、先生は姉と同じようにがっつく方だ。
「せんせー、かわいい」
鼻水がたれている。
ぐちゃぐちゃと空気をわざと入れるように租借するから、涎と糞が混ざった汚らしい液体が口の端からたれている。
その液体が皿の上に落ちる。
これが年頃の女の姿だろうか。
「そ、そほかなあ」
てへっと首を曲げたせいで、無駄にでかい乳に糞片が落ちる。
「ほら、、せんせー落とさない」
注意したが先生は糞を食べるのに夢中のようで、気にしていない。
この洋服汚してもいいのだろうか。
そうえば彼女が塗るのが好きかどうかは、知らない。
「せんせーはうんちが好きなんだね」
「うん! だいすきぃ」
くちゃくちゃと租借の音が響く、ごくんと租借の音が響く。
彼女は手にとって食べると、手についた糞がもったいないと思うらしく、犬食いをしている。
だが皿に顔を押し付けたままではなく、口でとった糞を租借する顔を私に見せつけている。
その嬉しそうに手や足をじたばたさせる姿を見る限り、彼女もやっぱり食べるか出すかの選択肢を迷わないのだろう。
もちろん、私だって迷わないけれど。
漫画雑誌も書いたいし、匂いつき消しゴムも欲しいし、最近流行ってる六角形のビーズも欲しい。
友達と帰り道にたこ焼きだって食べたい。
にもかかわらず、私のお小遣いは非常に少ない。
少ないというよりは、私の欲望が大きいのだと母はよく言うが、そんなことを言われる筋合いはない。
なにしろ「食べるだけじゃなくて、命令されて食べるのがいいのに、どうしてそんなこともわからないの?」と私を叱っている。
母の欲望だって与えられるものより十分大きいのだから、私だって大きくて悪いことはないはずだ。
だから、こうやってお小遣いを稼ぐぐらいは認めて欲しい。
なにも体を売ろうとか、悪いことをしようなんて言ってないし、何よりこれは担任の先生が持ちかけてきたのだし。
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「ひ、灯登美ちゃんは、こういうことする人のこと、その、どう思う?」
「こういうことって?」
わかっているけど聞く。
先生に限らず私の周りのこういうことが好きな連中は、どうもこういうことが好きな自分が恥ずかしいらしい。
姉や母は例外なのが、世の中上手く出来てると思う。
「その、だから、……うんちを食べたりするの」
最後の方は小声で聞き取りにくい。
「いいと思うよ。食べてるときのせんせーってすっごいかわいいし」
かわいいわけがない。
元々不細工な顔がさらに見るにたえなくなる。
目は引きつるし不恰好な眉が歪むのも見たくない。
「ほ、ほんとう?」
「うん、いっぱい臭いを嗅ごうととしてお鼻をヒクヒクさせてるところか、うれしさで手だけじゃなくて足までバタバタさせてるところか、大人なのに子供っぽくてかわいいよ」
たださえも鼻の穴が前のめりになってるのに、余計に上がって気持ち悪いし、手とか足をバタつかせるのはもう、気持ち悪いを通り越して怖い。
だけど、そんなことは当然口には出さない。
機嫌悪くして次から頼んでもらえなくなるのも嫌だから。
姉や母に対しては遠慮なく言うが、お客さんに対しては仕方ない。
「う、うれしい。あ、あのじゃあ、今日は私が食べるところ見ててくれるかな?」
「うんいいよっ」
私と先生が出す側食べる側の関係になって部屋に通いだしてから、もう半年。
先生は小学生の糞を食べるという罪悪感があるらしい。
だからいつも、私が出したら幾許かのお金を渡して私を帰す。
それからゆっくり食べているのだが、今日は違うようだ。
でもまあ、忘れ物しても怒られないし、うっとおしい体育はサボれるし、お小遣いももらえるし、これぐらいのサービスは仕方ない。
「いつものように、このお皿に出してきてもらえる?」
ちんまい悪魔の周りを天使が囲っている模様の、いつものお皿だ。
先生はいつもこのお皿で朝ごはんや晩ごはんを食べているらしい。
同じ趣味でも違うようで、姉や母は食事の場とこういう行為は分けて考えている。
だが先生は普段の生活とこういう行為が近づけば近づくほど興奮するらしく、一度だけお弁当箱に入れてくれと頼まれたことがある。
さすがにどうかと思って断ろうとしたが、あまりにも拝み倒されて承諾してしまった。
まあ次の日が給食の日だから、学校に持ってくることはないと見越したところもある。
「はーい、わかりました」
お皿を受け取ってトイレに行く。
これも罪悪感によるものなのか、先生は私が出す姿を見たくないらしい。
もう何度も来たことのあるトレイ。
掃除が行き届いているし、便座カバーについたキャラクターも黄ばんでたりしない。
こういう趣味の癖に綺麗付きだ。
部屋も片付いてるし、台所は少しちらかっているのは愛嬌だろう。
仕事もまあそこそこ出来て、家事もできて、きっと親御さんの教育がよかったんだろう、私と違って。
「じゃあー出すよー」
「う、うんおねがいねー」
トイレに入ったものの、便器にはまたがらずマットの上に皿を置いて、そっちをまたぐ。
下半身に力をいれて気張る。
穴が広がり、内臓が外にさらけ出されるような、感覚が体を走る。
我慢していただけあって、型崩れせずに出せそうだった。
----
「わー……」
声にならないとはこのことだろう。
彼女はうれしそうに、普段は目玉焼きやハンバーグを乗せて食べている皿に顔をうずくめようとする。
「せんせー、そんなにがっつかないでよ」
「ご、ごめんなさい」
経験上糞の形を崩されると、臭いがきつくなる。
いくら自分のだからといって、嗅ぎたいとは思わない。
「で、では…… いただききます!」
普段隣のクラスの横溝先生には「もう少しハキハキしないと」と怒られているのに、こういうときだけ元気がいい。
「こうやって見てればいいの?」
「う、うん、おねがひまふ」
途中から言葉になっていない。
中には少しづつ舐めたりしてから食べる人もいるが、先生は姉と同じようにがっつく方だ。
「せんせー、かわいい」
鼻水がたれている。
ぐちゃぐちゃと空気をわざと入れるように租借するから、涎と糞が混ざった汚らしい液体が口の端からたれている。
その液体が皿の上に落ちる。
これが年頃の女の姿だろうか。
「そ、そほかなあ」
てへっと首を曲げたせいで、無駄にでかい乳に糞片が落ちる。
「ほら、、せんせー落とさない」
注意したが先生は糞を食べるのに夢中のようで、気にしていない。
この洋服汚してもいいのだろうか。
そうえば彼女が塗るのが好きかどうかは、知らない。
「せんせーはうんちが好きなんだね」
「うん! だいすきぃ」
くちゃくちゃと租借の音が響く、ごくんと租借の音が響く。
彼女は手にとって食べると、手についた糞がもったいないと思うらしく、犬食いをしている。
だが皿に顔を押し付けたままではなく、口でとった糞を租借する顔を私に見せつけている。
その嬉しそうに手や足をじたばたさせる姿を見る限り、彼女もやっぱり食べるか出すかの選択肢を迷わないのだろう。
もちろん、私だって迷わないけれど。






